2018年も終わりますね。この一年、かつてないほど投資に意識を向けてきました。どんなことがあって、どう思って、どうアクションしてきたのかを振り返ってみます。
VIXショック
2018年は僕の中ではVIXショックで始まりました。2月5日です。米国の金利上昇がきっかけと言われていますが、それを引き金にVIXが上昇し、VIX上昇によって株価が下落、さらにVIXが上昇するという正のループに入りました。
このとき、XIVのロングポジションを持っていて、2月2日にはロスカットの兆しが見えていました。けっこうな落ち込みのため、ロスカットされないよう証拠金を積み増すか、危険状態とみなしてポジションを解消するかの選択に迫られました。
結局、このときは当初の証拠金と同じくらいを追加入金しました。これだけ積めば、よほどのことがあっても乗り切れるだろう、という目論見でした。ところが週が明けた2月5日、VIXは急上昇します。そのインバースであるXIVは急降下です。95%以上の価値を失い、敢え無くロスカットとなりました。
年収の3分の1近くを一夜にして失ったものの、そこまで落ち込まなかったことを覚えています。まぁこんなこともあるよね、と。2月2日時点で、かなりのバックワーデーションになっていましたので、市場が荒れてきたらさっさとポジションを解消して、VIXロングに切り替えたほうがいいということを学びました。
仮想通貨大暴落
同じタイミングで暴落したのが仮想通貨です。2017年末に240万円をつけたbitcoinは、1月26日のコインチェックによるNEM流出事件を経て、2月6日に75万円まで下落。他のアルトコインはさらに大きく値下がりし、ぼくのポートフォリオは4分の1くらいまで小さくなりました。
幸いだったのは、1月に200万円超をつけたタイミングで、一部を売却していたことです。初期投資額は全額回収し、残った仮想通貨がどうなるか見ていこうとしていた矢先の暴落でした。そこからさらに11月には一段と価格下落し、50万円を切る展開が続いています。
一時は総資産の10%超に達した仮想通貨ですが、こうした下落によっていまは1〜2%程度です。ここまで下がると、損切りをしようという気持ちにもならず、ウォッチのために持っておこうという感じです。
よく昔の投資家はバブル期のことを話してくれますが、この仮想通貨バブルの1年はててもよい経験になりました。含み益はほとんどなくなったとはいえ、投資を始めたのが2017年初頭ということもあり、全く損失を被っていないのがよかったことです。バブルというのは早く乗れればすごいことになるというのを身をもって体験できました。
テスラが黒字化
資産の3分の1くらいは、米国ハイテクIT株です。世界の時価総額上位まで上昇したAmazon、Google、Facebookは僕のボートフォリオの中でも優等生です。一方で、どうなるか状況を見ていたのが、nvidiaとTeslaです。nvidiaは300ドルを超えるところまで急上昇したあと、中期的な業績不安から売られて現在は133ドルといったところ。含み益はありますが、持ち続けるかはわかりません。
一方のTeslaは2018年が勝負の年でした。2016年4月にmodel3を発表して以来、生産が軌道に乗るかが注目されていました。
結果、見事に生産台数目標をクリアし、10月末の決算発表では四半期で3億1150ドルの黒字を記録しました。米国株全体が不調の中、Teslaだけは大きく下がることもなく、300ドル超を維持しています。
中長期的にEVが世界の潮流になるとぼくは見込んでおり、さらにそのリーダーがTeslaです。EVの基幹技術が注目されますが、自動運転などでも世界のトップレベルを走っており、マスク氏のブランディングのうまさとともに、たいへん期待できる企業だと思っています。
この1年、Teslaへの投資はまぁまぁ成功だったと言っていいと思います。
太陽光投資始める
今年の最大のトピックは太陽光発電への投資です。FIT18円の最後の年ですし、サラリーマンとして年収を維持する最後の年ということもあり、一気に大量の発電所取得を目指しました。
7月には、箱となる資産管理法人を初めて作りました。初めてづくしでしたが、たいへん面白い体験ができました。
その後、順調に物件視察と決定が進み、10月には7基を押さえることができました。計算方法にもよりますが、けっこうな規模感です。
また1社で7基は少々重いため、2社目の法人も用意しました。
現在、土地の契約や経産省の認定、また東電との連携、農地転用などが複数箇所同時に動いています。トラブルもいくつかありましたが、2019年は次々と発電所が稼働する年になるでしょう。
太陽光発電は前から関心は持っていたのですが、一気に動かした1年になりました。手間もかかりましたが、こういうのは面白いですね。
自社株売却
太陽光発電は基本的に借り入れをおこしレバレッジを効かせて運営しますが、それでも購入する土地の代金など、初期費用はけっこうかかります。7基ともなると、パッと現金で払えるレベルでもありません。
そのため、資金確保のため、以前から問題だった勤め先の株式の売却を進めました。総資産の30%程度を自社株が占めており、このボラティリティの高さがポートフォリオ全体としては課題だったからです。
ただし自社株の売却はけっこう難しい問題をはらんでいます。会社ごとに違うと思いますが、ぼくのところでは自由に売却できるわけではなく、申請して許可を取らなくてはなりません。何度も申請していたのですが、会社側で財務イベントが発生するなどタイミングが悪く、一部を売却できたのはやっと10月に入ってからでした。
振り返ると、この売却はラストタイミングでした。12月に入ると日本株は全般に大崩し、勤務先も例外ではなかったからです。結果的には、年末終値に比べて平均7割近く高い値段で売却することができました。
インデックスは?
さて、こうやって投資を振り返るとやはりインデックス以外の変わった投資の話ばかりになりますね。でも、資産の50%以上は普通の海外分散インデックス投資です。こちらは、売却はなし。いくつかを買い付けただけで1年が過ぎました。
一つは生活必需品セクターのXLPです。そして中期米国債(7-10年)のETFであるIEF、またモーゲージ債(住宅ローン)を集めた米MBS ETFであるMBBも購入しました。合計で資産全体の5%程度になります。
セミリタイアを視野に入れて、リスクの小さい、インカム狙いのETFに切り替える目的でした。結果的に、この選択は悪くはなかったようで、4月に購入したIEFとMBBは配当を出しつつ、現在キャピタルゲインもプラスとなっています。
VIXといい仮想通貨といい、2018年は大きな損失を出した1年でした。12月に全株式も下落し、厳しい値動きでした。それでも、新たな取り組みを多数行い、充実した投資を行えた年だったと思います。