投資でセミリタイアする九条日記

ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使ってセミリタイアを目指します

投資のスタイル 金融理論の基本とさまざまなアノマリー

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年末ですので、自分の投資スタイルをまとめておきます。ざっくりいうと、金融理論が示す「収益を生む資産を持ち、リスク/リターン比を最大化するようにポートフォリオを組む」ことを基本に、そこにどんなアノマリーを認めて組み込むかというのが、投資スタイルです。

それだけで利益を生むのが資産 現代金融理論

まず根幹にあるのが、投資資産はそれだけで利益を生むという思想です。銀行預金や債券であれば利息がつくし、株式であれば配当があります。こうした持っているだけで利益を生む資産は、長期で保有すると複利効果で利益が積み上がるという考え方です。

 

そのため、投資においては期間が最重要だと言われます。低リスク低リターンでも、長期間持ち続ければ、複利効果で大きく成長するからです。

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ただし、どんな資産を持てばいいかというと、そこにはリスクとリターンという2つの要素が絡んできます。リスクは値動きの激しさ、リターンは利益の大きさです。リスクが大きいほど、リターンは大きくなります。ハイリスクはハイリターン、ローリスクはローリターンになります。

 

一般的に、株式のほうが債券よりもリスクとリターンが高いとされています。

 

これは本質的な話で、リスクとリターンが見合わない場合、レバレッジを組み合わせるとフリーランチができてしまうからです。そのため、価格の調整が入り、結果的にリスクとリターンは一致していきます。

kuzyo.hatenablog.comリスクを下げてリターンを上げる方法 ポートフォリオ

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ただし、金融理論の画期的な発明として、リスクだけを下げてリターンを上げる方法があります。分散です。これは、値動きが異なる複数の資産を持つことで、互いのリスクを打ち消すことができ、リターンだけを享受することができるという考え方です。

 

どのくらいのリスク/リターンを持つ資産を、どんな割合で組み合わせたらいいかは数学的に計算でき、リスクあたりのリターン(シャープレシオといいます)が最も高くなる組み合わせを効率的フロンティアといいます。この効率的フロンティアに乗るように、複数の資産を組み合わせることを「ポートフォリオを組む」といいます。

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ポートフォリオを最適にするには、2つの条件があります。ひとつはできるだけ値動きが連動しない資産を組み合わせること。できれば、片方が上がればもう片方は同じだけ下がることが理想です。統計的には逆相関すると呼びます。一般に、株式と債券は逆の動きをすると言われており、そのため株式と債券を組み合わせることがポートフォリオの基礎とよく言われます。

 

さらに、株式とも債券とも連動しない資産を組み入れることで、全体のリスクを下げることができます。ここで、金や仮想通貨の出番です。金や仮想通貨はそれ自体は利益を生まない資産ですが、ポートフォリオに一定量を組み入れることで、全体のリスクを下げる効果があるのです。

 

ポートフォリオを組んだら、定期的なリバランスが重要です。最適な頻度はいろいろありますが、理論的にはリアルタイムで組み替えるのがベスト。ただし手数料や税金という要素があるので、リバランスによって見込めるリターンが、手数料や税金コストを上回る頻度となります。

果たして市場は効率的か?

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ここまでが教科書的な投資手法ですが、前提となる考え方として、「効率的市場仮説」というものがあります。これは、取引をする人たちはすべての情報を持っており合理的に行動するため、価格は常に妥当であるという考え方です。株価が下がったとしたら、それは将来の企業利益が減少したためであり、その株価は妥当なものだという考え方です。

 

しかし、市場が効率的なのはある程度までで、完全であるという考えに同意する人はいません。市場はミスをすることがあるというのが、基本的な考え方です。

ミスプライシングというアノマリー バリュー、セクター……

市場がミスをするとしたら、どんなことを考えなくてはならないのでしょう。ひとつはミスプライシングです。本来あるべき妥当な価格よりも高く評価されていたり、低く評価されている場合があるということです。本質的な価値よりも低く評価されているのなら、それを買っておけば、いずれ本質的な価値になるはずだ。そう考えるのがバリュー投資です。

 

そのためバリュー投資手法では、企業業績を分析し、割安な株を探すということを主に行います。株以外でも、例えば仮想通貨などで本質的な価値よりも安い値段がついているから購入するという行為は、市場のミスプライスに賭けているともいえるでしょう。

 

セクター投資もミスプライシングに賭けています。AI関連企業を選択して投資したり、新興国を選択したり、SRI投資(Socially Responsible Investment:社会的責任投資)もそうですね。リスクとリターンをコントロールするという意味合いを越えて、一定のセクターに投資するのは、市場がそのセクターの価値を評価できていない、割安だと考えているから、と言えます。

 

ただしこれらはゼロサムゲームです。本当にミスプライスがあったとしたら、本来の価値よりも高い値段で買った人から、安い値段で買った人にお金が動くことを意味しているからです。全員が儲かるわけではなく、誰かから誰かにお金が動くわけです。

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タイミングによるアノマリー モメンタム、グローバルマクロ……

もう一つの市場のミスは、市場のムードや経済情勢で価格が変わるというところです。株価あがりの収益率を表すPERは、利益の何倍で株が取引されているかを示しています。そしてPERは市場のムードに影響される場合があります。みんなが強気で未来は明るいと思っているならPERは上昇し、つまり同じ利益でも株価は高くなります。逆に、弱気ならばPERは下落し、株価は下がります。

 

この歪みを元に儲ける手法はモメンタム投資などと呼ばれます。上がる株はさらに上がる、下がる株はさらに下がるという傾向が数年単位ではあると言われています。これが起こる理由ははっきりしていませんが、人間心理が影響している可能性が高いでしょう。

 

さらに短期でいうと、チャートを見て売買するデイトレードやスイングトレードなどの手法もタイミングです。また、価格が下がったら損切りしろ、上がったら持ち続けろなどのトレードの格言も、ここに属します。

 

もう一つは経済情勢です。企業業績は為替や金利の影響を受けています。為替や金利の変化、それによる信用の拡大と収縮などで企業業績も株価自体も影響を受けます。金利は上がり続けたり下がり続けることはありません。信用も拡大したり縮小したりを繰り返します。そのため、資産価値には波が出るという考え方です。

 

これらの時間的な波をチェックすれば、低いときに買って高いときに売ることで利益を出すことができます。世界最大のヘッジファンド、レイ・ダリオはこの経済の波に従って売買していることで有名です。

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いずれにしても、タイミングを見て投資する手法もゼロサムゲームです。売買には相手がいるわけで、利益を出した人がいれば、ほかの誰かが損失を被っているわけです。

法制度、人為的に作られたアノマリー

市場が効率的でなくなるもう一つの可能性は、人為的に作られた法制度などです。特定の業界に補助金を出したり、特定の企業を業界から締め出したりすることを、国家はたびたび行います。

 

一般にレバレッジをかけるには、裏付けとなる資産が必要です。ただし、裏付けとなる資産の種類によって借りられる資金量は大きくかわります。最も少ない資産で大きな金額を借りられるのが不動産です。場合によっては、資産規模と同額を借りることもできてしまいます。ここは融資におけるアノマリーが存在しています。

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仮想通貨は法制度が厳しいと取引が不活性化して価格が下落しまたし、緩すぎると不正が起きて信頼を失いやはり下落しました。ペーパーマネーの場合、こうした法制度による歪みは早いスピードで市場に浸透してすぐに価格に反映されますが、実物資産の場合は浸透に時間がかかります。

 

たとえば、不動産は政府の持ち家政策の方針や、融資の方針に大きく影響を受けます。それはすぐに価格に反映されるわけではなく、徐々に浸透します。太陽光発電も政府が買取保証をつけたことで一時的にアノマリーが生まれたものの一つでしょう。 

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金融理論をベースにどんなアノマリーを組み入れるか

結局、投資というのは金融理論が示す「収益を生む資産を持ち、リスク/リターン比を最大化するようにポートフォリオを組む」ことが基本です。なんのアノマリーも認めず、金融理論の根幹だけを使った投資が、全世界の株式インデックス投資に債券や現金を組み合わせたポートフォリオを組み、バイ&ホールドで持ち続けるやり方です。最もシンプルなインデックス投資ですね。

 

その上で、どのアノマリーに賭けるのか? が投資の醍醐味です。

 

特定の企業の価値を市場は過小評価していると考えるならバリュー投資ですし、特定のジャンルの成長を過小評価していると考えるならセクター投資です。いまは株価が上がりすぎている(PERが高い)と考えるなら、心理状態にかけているし、経済の見通しを市場は見誤っており利上げがあるとか信用が拡大しすぎと考えるならグローバルマクロです。

 

株価が暴落したので早く逃げ出すべきというのもモメンタム投資の一つですし、不動産の価格が高すぎると考えるのは政府はすでに引き締めに動いているが市場はまだそれを織り込んでいないと考えるのも、制度上のアノマリーに賭けていることになります。

 

次回は、ではぼくがどんなアノマリーにエッジがあると考えて、どう組み入れているかをまとめてみます。