FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

経済的自由の5つのレベル 書評:『世界のエリート投資家は何を考えているのか』

アンソニー・ロビンズの『 世界のエリート投資家は何を考えているのか』を読みました。この著者、世界的にコーチとして有名な人で、ライブパフォーマンスが人気の方なのですが、お金に関することでも非常にしっかりとした内容で、関心しました。

 

後書きを山崎元さんが書いていて、内容に基本的に賛同しているように、極めていまふうの、ぼくの投資ポリシーにも合致する内容です。

  • プロでも市場平均には勝てない
  • 投資信託やETFを使う場合は手数料に注意
  • 複利の力を活用することが大事
  • アセットアロケーション(ポートフォリオ)の組み方がすべてを決める 
世界のエリート投資家は何を考えているのか: 「黄金のポートフォリオ」のつくり方 (単行本)

世界のエリート投資家は何を考えているのか: 「黄金のポートフォリオ」のつくり方 (単行本)

  • 作者: アンソニー・ロビンズ,山崎元,鈴木雅子
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2017/10/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 『ウォール街のランダム・ウォーカー』を書いたバートン・マルキールにインタビューしていたり、バンガードのボーグルが出てきたりといったら、どんな方向性の書籍なのか分かるでしょう。

ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

 

そして、他書にはない本書の特徴は、「ではどのくらいの資産を貯めたらいいのか?」に、独特な回答をしているところです。よく「経済的自由」という言葉を聞きますが、本書では、資産を貯めることで経済的に自由になるレベルを、下記の5つに分けて論じています。 

 

 

f:id:kuzyo:20180910152220p:plain

※赤棒は現在の資産から生み出せる収入。青棒は必要な収入

経済的安定ー「生活費の心配をしなくていいレベル」

これは、「家賃・住宅ローン」「食費・雑費」「水道・光熱費・通信費」「交通費」「保険料」を、資産からの収入で賄えるレベルを指します。つまり、総資産が4〜6%の収入を生むとして、それで上記が賄えれば「経済的安定」は獲得したといえるでしょう。

 

実際に、ぼくの場合を計算してみました。すると、総資産の4%でも6%でも、経済的安定を超える収入は生み出せそうです。つまり、経済的安定のレベルはすでに達したといえそうです。やった!

経済的活力ー「プチ贅沢費」の半分が働かなくても払えるレベル

加えて「衣料費」「外食費」「娯楽費」の半額を足すのが、経済的活力レベルです。仕事をやめたとしても、生活できるだけでなく、ほどほどの贅沢ができるというレベルです。

 

計算してみると、この場合も、ぼくは達成レベルにありました。4%運用でちょうど賄える感じです。

経済的自立ーライフスタイルを維持するために働く必要がないレベル

次の目標は、現在の支出全体を賄える資産規模になります。これは全く働かなくても、現在の生活レベルを維持できるということです。残念ながら、このレベルになると、4%運用では足りないことがわかります。少なくとも5%程度で運用するか、資産規模を2割程度増やさなければなりません。

 

別の言い方をすると、経済的安定の2倍の金額が必要なようです。

 

これが、ぼくの目指すべき最初のマイルストーンになります。これで、資産規模のゴールが具体的になりました。

経済的自由ー「理想のライフスタイル」を苦もなく実現できるレベル

「経済的に自由と感じるために欲しいものはなにか?」に答えたものが、このレベルです。本書では、例として下記のようなものが挙げられています。

 

自分の通う教会に年間10万ドル寄付できたら、経済的に自由と感じる。スティームボート・スプリングスのスキー用マンションと、バス釣り用小型ボートの購入もおまけにつける

ぼくも、どんなことができたら「理想のライフスタイル」だと言えるか考えて、その金額を足してみました。うーん。なかなかこれは遠いゴールです。4%運用なら、現在の資産規模の2倍が必要です。

 

それでも、ゴールが明確になったのはいいことです。「資産10億円」なんて必要はなく、もっと全然少なくて、理想のライフスタイルが得られることが分かりました。

完璧な経済的自由ーいつでも欲しいものが何でも買え、やりたいことが何でもできるレベル

ほしいものがすべて手に入ったら? 一番大きな夢は? これが最終ゴールですね。本書の例は下記の通りです。

牧場を購入して、教会用キャンプに作り替える」「自家用飛行機を買う」

200万ドル+100万ドル 

 ぼくも計算してみました。なかなかすごいです。現在の資産規模の4倍が必要です。言い換え得ると、現在の資産にまったく手を付けず、7%で20年運用すると4倍になります。

 

ただし、この計算は、資産の取り崩しを加味していません。資産を取り崩して85歳まで生きるとして計算してみました。経済的自立を実現するには現在の資産規模で全然OK。95歳までいけます。

 

経済的自由にはけっこう足りなくて、資産をあと4割増やす必要がありました。完璧な経済的自由だと、3倍ちょっとにしなければなりません。完璧な経済的自由は何かチャンスが必要ですが、「経済的自由」ならばなんとかなるかもしれません!

 

さすが名コーチだけあって、目標を具体的な数値に落とし込むことで、単なる夢ではなく、目標として追えることをよくわかっています。ちなみに、この計算をするには家計簿をつけることが必須です。

 

kuzyo.hatenablog.com