FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

キャッシュフローゲームで得られるマインド

十数年ぶりくらいにキャッシュフローゲームをやりました。いやはや、完全にどんなゲームか忘れていました。しかし、改めてひとゲームやってみると、「投資マインド」を作るのによくできたゲームだなぁと実感します。

 

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キャッシュフロー 101 (日本語版)

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まったく知らない人むけに簡単に説明すると、人生ゲームのような盤面を周りながら、『金持ち父さん貧乏父さん』でいうラットレースを抜け出すことを目指すゲームになります。ラットレースを抜け出したあとも盤面周回はありますが、お金は増える一方でなんのリスクもなく、安穏とした毎日が繰り返される感じです。

 

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)

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ゲームとしては、ラットレースが中心で、いかに早く効率的にそこを抜け出すかを競う感じです。一応、「競う」と書きましたが、プレーヤー間のやりとりはほとんどなく、1人でやっても実際はほとんど変わりません。そして、ゲームに勝つことが目的ではなく、ゲームを通じて「投資家マインド」を身につけるのが目的となる作りになっています。

 

では、どんなマインドが得られるのでしょうか?

 

収益を生み出す借金はぜひしよう

最大のポイントは、早くお金を増やすには借金をしよう! というところです。不動産やビジネスを購入するときは、借り入れをすることが前提の作りになっていますし、その頭金が足りなくても銀行が資金を貸してくれます。ユーザーの判断としては、頭金を借りて買うか(買うと利息を払わなければならないのでキャッシュフローが悪化する)どうか? が最大の部分になります。

 

手元の資金を何に投資するか? という観点も一応ありますが、ほとんどの場合、不動産やビジネスを買う機会よりも、ペイデイ(給料日)などでお金が入ってくる機会のほうが多いので、機会があったら買ってしまおうという感じです。

 

売りに出ている不動産やビジネスのほとんどは、キャッシュフローがプラスなので、買えば買うほど得になります。元資産の値下がりリスクも、ほとんどないというのが特徴です。

 

ここまで美味しい投資案件だらけでも、日常の常識に縛られていると、「借金するのは怖いこと」と思ってしまい、手元の現金を残しておきがちです。このマインドを変えて、リスク許容量が許す限り、借金して買うことの重要性を教えてくれます。

 

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生活コストはとにかく抑える

キャッシュフローゲームでは、ペイデイのたびに、「生活コストがこんなに高いから、手残りの資金がこれしかない」と感じるようになっています。子供が生まれれば自ずと生活コストが上がるので、ゲームの中で見れば「あぁ子供が生まれてしまった。ラットレースの卒業が遠のいた」と感じてしまいます。

 

弁護士など高給取りの仕事は、自然と生活コストも高くなります。手残りの金額も他の職業にくらべれば多いのですが、「不労所得で生活コストをまかなう」というラットレース卒業の条件を考えると、とにかく生活コストが高いことはリスクになります。

 

サラリーマンマインドだと、給料を上げて生活レベルを上げるのが暗黙のゴールになっていたりします。ところが、キャッシュフローゲームをすると、給料が上がったとしても生活レベルを上げてしまうと、どんどんラットレース卒業という本当のゴールが遠のく仕組みになっているのです。

 

このマインドの切り替えを促すという点は、キャッシュフローゲームのすごいところでしょう。よくよく考えると、いや、生活レベルが低いままならラットレースを卒業しても不幸なんじゃない? と思ったりもするのですが、ゲームをやっている瞬間は、生活費の少ない人が羨ましく思えるわけです。

 

kuzyo.hatenablog.com

 

株式ではなく、不動産やビジネスを所有しよう

ここは、自分自身でも多少違和感があるところです。ただキャッシュフローゲームでは、いくら株をもっていても永遠にラットレースは抜け出せません。株はわずかな配当という不労所得は得られますが、本質的には上がったときに売却して、不動産やビジネスを買う元手を作るためのものとして設計されているからです。

 

違和感は感じながらも、不動産やビジネスのほうが圧倒的に利益が上がることはよく分かります。まず、株式購入には銀行はお金を貸してくれませんが、不動産やビジネスの購入には貸してくれるのです。本当にそこまでリスクが違うのかはともかく、銀行はそう判断しているということです。

 

借り入れができるということはレバレッジがかけられるということです。レバレッジは、複利以上に魔法の杖で、圧倒的なリターンを稼ぐことができます。また、株を持っているだけでは、対象のビジネスの利益の一部しか得ることができませんが、ビジネスオーナーになった場合は基本的に利益のすべてを手にすることができます。

 

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ぼくのPLとBS

下記は、ゲームをやったときの僕のPLとBSです。

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このシートも良くできていて、不動産やビジネスをどんどん購入して、BSを膨らませていくことがラットレース卒業の近道であることを暗示しています。何しろ、仕事の給料は上がりませんし、支出も増えることはあっても減りはしません。

 

キャッシュフローゲームの問題点として、「株でも不動産でもビジネスでも、手を出せば全部儲かるようになっている。現実はそうはいかない」と書かれている場合があります。ただ、このゲームの狙いは、株や不動産やビジネスはリスキーで危ないよ、ということを伝えたいのではなく、そうした手段にトライすることがラットレースを抜け出す唯一の現実的な道なんだよ、ということを伝えることにあります。

 

このマインドを手に入れれば、あとは「どの株なら買って大丈夫なのか」「どの不動産をいくらで買ったらいいのか」「どのビジネスならリスクに見合うリターンがあるのか」ということを調べる、いわばスキルの段階に入ります。このスキルを身につけるのだって簡単ではないのですが、多くの人の場合は、マインド段階で挫折していることがほとんどだと思うのです。

 

自分自身を振り返っても、インデックス投資に出会ったおかげで株を買うことに恐怖はなくなりましたが、借金をして不動産を買うことにはいまだに根源的な抵抗感があります。ましてや、ビジネスの立ち上げや投資など、スキルの問題というより、マインドが邪魔をしていることを自分自身がわかっています。

 

何度もやるゲームではありませんし、このゲームで強くなっても実際の投資で強くなるわけではないのですが、このマインドを肌で感じるくらいにはやりこんでおくと、よい投資人生が送れるよな、と改めて思います。

 

また、不動産やビジネスは株に比べてタイムスパンが長いものになります。20代などの若いうちに初めておけば、ぼくと同年代の40代になるころには初期の借り入れが返済し終わってるでしょう。そうなると、いろいろ選択肢も広がるというものです。

 

とはいえ、20代、30代は投資に時間を使いすぎるべきではなく、本業の仕事に専念するほうが最終的にいいとも思っています。実は最もリターンが大きいのはそこですし、生活レベルさえ上げ過ぎなければ、年数百万円ずつ投資の元手を増やすことだってできるのですから。