FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

maneoは資金流用してないよね?

各所報道で、証券取引等監視委員会がmaneoマーケットを行政処分するよう金融庁に勧告する方針だと伝えています。

 

www.nikkei.com

しかし、ソーシャルレンディング投資をやっている身から見ると、ちょっとミスリーディングする報道じゃないかとも思います。内容を整理すると、こういう感じになります。

 

図は、グリーンインフラレンディングと同様のスキームだと思われるCash Flow Financeのものです。各社の関係が図解されています。

  

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名前が似ていて紛らわしいのですが、maneoグループでは、投資家から資金を募集する業務をmaneoマーケットが行い、投資家への貸出はmaneoが行います。maneoマーケットは、maneo以外のソーシャルレンディング業者へ対しても資金募集を引き受けており、そのひとつがグリーンインフラレンディングになります*1

 

グリーンインフラレンディングはJCサービスの子会社だということですので、JCサービスはmaneoマーケットを経由して資金を集めていた、その際、maneoマーケットに伝えたのと異なる用途に資金を流用したということになります。

 

この件に対して、maneoマーケットは次のようにリリースを出しています。

弊社は、グリーンインフラレンディング社より、「投資家の皆様から出資いただいた資金は、グリーンインフラレンディング社の融資先を介して最終資金需要者が特定の太陽光発電所やバイオマス発電所等の開発資金として使用する」との説明を受けるなどして、その旨認識し、投資家の皆様にもご説明して参りました。
しかし、最終資金需要者において上記説明とは異なる使途に一部資金が使用された疑いがあることが判明いたしました。

 

一方で、JCサービスは次のようにリリースを出しています。

また、一部報道において、ファンドで募集した資金の一部が投資家への事前の説明と異なり融資先の企業から弊社の関係会社または関係者に渡ったかのような記載がありますが、そのような事実はありません。 

 要するに、両者の言い分は噛み合っていないわけです。ただし、どちらが正しいとしても、maneoやmaneoマーケットが資金流用したわけではないことは事実だと読めます。

 

監視委が問題にしているのも、maneoマーケットが(結果的に)虚偽の説明で投資資金を募ったことです。もちろん、maneoマーケットは資金の提供先をしっかりと管理し、投資家に説明したものと異なることに資金が流用されないようにする責任があります。その点は、真相解明されるべきですし、改善の必要があるでしょう。

 

ただし、maneoマーケットは資金流用していないと思われますし、ましてやmaneoが資金流用したわけではありません。報道の「maneo集めた融資資金を流用」は明らかなミスリーディングだと思います。

*1:しかしmaneoマーケットのページでもグリーンインフラレンディングのページでも、どこがどのような役割を担っているのかが分かりにくいんですよね。グリーンインフラレンディングの図解では、グリーンインフラレンディングが直接投資家から指揮を集めるかのように書かれているし。そしてmaneoのWebページでは、グリーンインフラレンディングが別のソーシャルレンディング会社だということが分かりづらく、まるでmaneoが管理する投資先の1つであるかのように見える構造です。これは意図的にmaneoのブランドを活用しようとしてそんな構造にしているのではないかと邪推してしまいます。