FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ブロックチェーンは万能ではないが世界を変えると思う

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unsplash-logo Luca Bravo

2017年は、Bitcoinとブロックチェーン元年と呼ばれるようになると思っています。ちょうど、Windows 95が出た1995年がインターネット元年と呼ばれるように。

 

そして、インターネットがそうであったように、ゴールドラッシュに群がる人たちがビジネスを乱立させます。一山当てようという山師もいれば、これで世界を変えるんだ、と意気込む人がいるのもインターネットと同じです。そして、このムーブメントを推進しているのがエンジニアではなく、技術はよくわかっていないけど何かの可能性を感じているビジネスサイドの人間だというのも同じです。

 

当然、技術サイドの人からは、「ブロックチェーンはそんなことに使うものではない」という指摘が出てきます。

 

しかし、ビジネス側の人たちには、そんな技術的に深い部分は理解できないため、技術者たちに騙されたり、賢くない技術者たちと組んで、本来ならブロックチェーンなど全く使う必要がない部分にまでブロックチェーンを使うという本末転倒なことをしているのです。

残るはイーサリウムで導入されたスマート・コントラクトの応用ですが、それも実際のところ盛り上がっているのは、技術が理解できないビジネス側の人たちばかりで、現時点では「打つべき釘を探しているハンマー」でしかないのです。

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でも、これは2つの点で間違っていると思っています。1つは、インターネットだって、それをインターネットで行うのが最適とは言い難い分野まで広がったということです。技術的に優れているものが普及するとは限らないのは、ベータ v.s. VHSを持ち出すまでもなく明らかです。

 

大きなムーブメントは、バズワードとセットになって、必ずしも技術的に最適でなくても様々なものを飲み込んでいきます。すっごくわかりやすくいえば、1996年当時は、インターネットの本質と違っていても、「インターネット」と名前がついて少しでも関係していればお金も集まったし、ユーザーも使ってみようと思いました。2018年でいうと、「ブロックチェーン」と名前がつけばそれがブロックチェーンの本質と関係なくてもお金が集まって注目されユーザーも試してみようと思うのです。

 

のちに詐欺と言われるようなものも出てくるでしょうし、メッキが剥がれ落ちてなくなっていくものもあるでしょう。それでも、こういったムーブメントが社会を推進してきたのです。

 

技術がいかに素晴らしくても、そこに資本を呼び込み、世間の関心を得なければ世界を変えるものにはなりません。素晴らしい技術を研究しながらも、自分たちでは製品化できず世界を変えるに至らなかったベル研究所がいい例です。技術者による技術目線の技術評価は、こうした観点が抜けていることが多いので注意が必要です。

 

二つ目は、ほとんどの革新的技術は「使い道がわからない」ものとして始まったということです。先の「打つべき釘を探しているハンマー」という指摘は、貶し表現というより革新的技術に対する褒め言葉にさえ見えます。

 

知られている例ではレーザーがそうです。レーザーは、今でこそ光ケーブルなども含めなくてはならない技術ですが、開発された当時は利用目的があったわけではなく、何に使うのかも見当がつかない時期が長く続きました。しかも最初に実用化されたのはレーザー開発から約10年後の1967年、バーコードリーダーだそうです。

レーザーの集中した信号は、既存の電気配線よりも効率的に情報を埋め込むのに使えることを研究者は知っていたが、その帯域幅がいったいどう役に立つかははっきりしていなかった。「信号伝達や通信とこれほど密接に関係しているものが現われ、それが新しくてほとんど理解されていなくても、何かできる人がいるならとにかくやって、なぜ始めたかの細かいことについては、あとで考えればいいのだ」と、ピアスは説明したことがある。『世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史』

 

エジソンの蓄音機やベルの電話の発明も、発明者が意図した使われ方はしませんでした。目的なしでは発明はなされないとも言いますが、それがイノベーティブであるほど、当初意図した通りの目的には使われないのも事実です。

 

音を新たな方法で共有したり伝えたりするための新しいツールが実現するが、そのツールが最終的にどう使われるのかを、発明者が想像できないという事態が一度ならず起こっている。
トーマス・エジソンがスコットの始めたプロジェクトを完成させ、一八七七年に蓄音機を発明したとき、彼はそれが郵便で音声の手紙を送る手段として、定期的に使われることを思い描いていた。個人がロウを塗った巻物に蓄音機で書状を記録し、ポストに投函し、数日後にそれが再生される、というわけだ。
ベルは電話を発明するにあたって、ほぼ同じ誤算をしていた。彼は電話のおもな用途のひとつとして、生の音楽を共有する手段を想像していたのだ。電話線の片端にオーケストラか歌手がすわり、反対端にリスナーがすわって、電話のスピーカーから聞こえる音声を楽しむ、というわけだ。
つまり、二人の伝説的発明家がまったくあべこべのことを考えていた。結局、人々は音楽を聴くのに蓄音機を使い、友人と連絡するのに電話を使っている。『世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史』

世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史

世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史

 

 

ぼくは、ブロックチェーンには無限の可能性が広がっていると思うし、当初から言われている可能性さえ、まだ実現の途についたばかりです。ブロックチェーンは万能ではありませんが、その可能性を過小評価するのではなく、失敗も含めて活用に挑戦していくべきだと思っています。

 また、公証人は会社設立目的の適正性などを判断しているわけではない。適法、適正の判断は、登記所が行なっている。

 公証人が認証した定款が、登記申請で登記官により補正を求められることもあるという。

 公証人の役割は、主として真正性の証明だ。 つまり、間違いなく本人がその内容の定款をその日に作成したという証明だ。

 それなら、ブロックチェーンで簡単に代替できる。

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ネットバブルが崩壊したとき、多くの企業が破綻しました。ただし、そのバブルで集まったお金と人材の中から、AmazonやFacebook、Googleなどが生まれ、世界のテクノロジーをリードするようになったのも事実です。

 

いまがbitcoinの仮想通貨のブロックチェーンのバブルだとしても、ここから次のGoogleがきっと生まれてくるでしょう。本当に面白い時代に生きられて幸せです。