FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

見栄消費と価値ある消費

見栄消費の評判は悪いですね。それでも、お金があればついしてしまうのが見栄目的の消費。どうしたら見栄消費をやめることができるのでしょうか?

 

まずは、何が見栄消費で何が価値ある消費かを考えてみます。一見見栄でも、価値ある消費というものがあります。

 

1つは投資を兼ねているもの。そこから収益が上がる消費というのは考えにくいですが、将来売却するさいに価格下落が小さかったり場合によっては値上がりしているものを買う場合です。

 

もう1つは、本質的満足を伴うもの。見栄ではなく、自分がほしいと思ったから買った、というものがこれにあたります。

 

投資としての見栄消費

都心の住宅

まずは住宅です。都心の一等地にたつマンションや戸建て。見栄という意味ではたいへん効果的なのではないでしょうか。ただし、価値ある消費だという見方もできます。まず、都心の一等地は価値が下落しにくいと一般に言われています。日本全体で人口が減少するなかで、東京都だけはまだ人口増加がつづきピークは2025年と見られているからです。

 

さらに世帯数のピークは2035年と見られており、需給関係でいえばまだしばらく需要のほうが高い状況が続くと考えられます。

 

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f:id:kuzyo:20180423143718p:plain※いずれも東京都政策企画局の資料(PDF)より

 

超高級スーパーカー

続いて自動車です。自動車は基本的には見栄の部分が大きく、ほとんどの車は10年経てば価値がゼロになります。それでも、投資の検討に値するクルマは超高級スポーツカーでしょう。

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例えばフェラーリは、1984年に発売されたテスタロッサが30年経ってビンテージ化し、底値の500万円から1000万円まで値段が上がっています。また、フェラーリやポルシェの限定車種はすぐにプレミア化し、購入価格を上回る値段で取引されているという状況です。

crediblecar.life

とはいえ限定車種を新車で買うには数千万円の元手が必要ですし、そもそも普段からディーラーで新車を買い換えている得意客でなければ限定車を買うことはできません。中古で底値のクルマを探すにしても、それが将来ビンテージ化して値上がりするかの目利きが必要です。

 

ちなみに、中古の高級スポーツカーは、維持していくのにけっこうお金がかかります。純粋な投資としては全く割にあわないかと思いますが、自分が乗りたいのであれば意外と国産高級車よりもトータルコストは安くなるかもしれません。

 

ロレックスのデイトナ Ref.116520

時計はどうでしょうか? ほとんどの時計は購入した瞬間に価値が半減しますが、リセールバリューが高く保たれているのがロレックスです。下記は、2015年に生産が終了したデイトナ Ref.116520の価格推移です。

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watch-kaitori.com

ここ10年で見事に1.5倍になっています。ロレックスは価格コントロールがうまく、価値を保ち続ける時計として有名です。発展途上国に行ったとき、ロレックスの時計があればいざというときに現金代わりになるとかならないとか。それよりも強盗に合う確率のほうが高そうですが。

 

ロレックスも、新品を正規店で買うことはかなり難しい状況です。そのため、中古でも新品よりも高い値付がされており、そうした供給を絞る戦略から価格が安定しているようです。ただし、こんごもそうとは言い切れません。

 

ちなみに、ロレックスのような機械式腕時計は5年に1度程度のオーバーホールが必要です。1回あたり5万円程度かかるようです。クルマに比べれば維持費は小さいですが、コストがかかることは忘れてはいけません。

 

家、クルマ、時計と見てきましたが、正直なところ、投資目的で買うのは難しいでしょう。そして、投資として利益が出せると信じられるところまで調べきれないなら、それは見栄消費の可能性が高いと思います。 

自分が本当に欲しいものを買うということ

 消費の目的は幸福な人生を生きることです。なので、なんでもかんでも節約するのがいいわけではなく、その金銭的価値に見合うと思うものなら買うべきだと思います。では、どうしたらそれを見分けることができるのでしょうか?

 

ぼくは、「品名を型番まで言えるレベルまで調べて、金額が生活費何日分に当たるかも把握したうえで、それでも購入したいもの」なら、価値ある消費だと考えています。

 

たとえばクルマなら、何年式のどういうモデルでどう細部が違っていてリセールバリューはどのくらいで、その代金を使えば何日生活できるのかまで調べます。服なら、どんな背景のブランドでどういう特徴を持っていて、競合製品と比較してどんな良さがあるかまで調べます。

 

消費の楽しさは、買ったものを使うことだけにあるわけではありません。購入に至るプロセス−−調査、店頭やネットでの価格調べ、売却時のこと、すべてがエンターテインメントであり、楽しむべきです。そして買い物は、実際に買う前のプロセスが一番楽しかったりするのです。

 

このように心がけることで、ひとつひとつの値段は上がりますが、買うものが絞られてきます。自分がじっくり選んだ品物だから扱いも大切になります。厳選して選んだものは、衝動買いしたものに比べてリセールバリューも高いことが多いです。ミニマリストにも通じる考え方ですね。その上で、よい品物を身につける喜びを感じられれば、それは価値ある消費だと思っています。